生活ホーム「ミルキー」、グループホーム「えるむ」と駆け巡り、最後はグループホーム「かりん」へと私は向かった。
えるむとミルキーの丁度中間地点に位置するかりん。普段は男性が行くことはめったにない。この日はFAXが故障したから直してくれとの一報を受け、私は工務店員としておじゃまさせていただいた。
ピンポーン。
出迎えてくれたのは・・・。
おっ!今をときめく、あの話題のデザイナー。虹作家のIさん。(詳しくは過去のブログにて)
「何しに来たんですか?」「ここは女性だけですけど。」と私を追い払うかのような刺々しい言葉と、非常に嬉しそうなその真逆の表情。
かりんのメンバーさん達は、みんないつもこの感じ。
「なんで男性がくるのよ!もー!」っと最高の笑顔で長居を強いられる。そうこれがツンデレ館かりん。
(ちなみに・・・ツンデレとは、ウィキペディアによると「初めはツンツンしている(敵対的)が、何かのきっかけでデレデレ(過度に好意的)状態に変化する」、「普段はツンと澄ました態度を取るが、ある条件下では特定の人物に対しデレデレといちゃつく」、「好意を持った人物に対し、デレッとした態度を取らないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼として接する」ような態度である。とされている。)
女性4名のグループホームとして、今年で6年目を迎えるツンデレ館。
4人のメンバーさんと1名の泊まりのスタッフ、そして担当者が1名、計女性6名が生活をしている。
メンバーさんのうち3名は、今から10年ほど前、当時「えるむ」「ペパーミント」と2件のグループホームが存在し、まだ男女混合のホームであった時代。その時から親元を離れて、グループホームでの生活をしてきた。ホッと入社当初の私もえるむ、ペパーミントのそれぞれで彼女達の担当として職員を務めていた。そのためなかなか行くことのないかりんの事でもメンバーさんの想いやスタッフの悩みなどをきくと非常に懐かしく感じる時がある。
ん?何か見たことあるこの感じ?
うん。これだ。一緒ですな。
10年前ホッとは時代の最先端をいっていた。
そうそう。そういえば・・・・。
この方なんかも、先ほどの虹作家さんの出身、ペパーミントがスタートだった職員。
キャップが書き残した当時の業務日誌を振り返るとこう記してある。「今日もまた、罵声を浴びた。」とか「今日はなんか変な棒で叩かれた。」など。時代の最先端をいくホッとでは、女性社会が既に形成され、かなり成熟していたことがよくわかる。
本日の世話人さん登場。非常勤さんで週2回ほど宿泊勤務で来ていただいているTさん。
ボランティアや仕事なんかでよく海外へ行く彼女。今日は何を作ってくれるのでしょうか?
Nさんはお部屋でくつろぎTIME。声をかけると、こんばんわーと高いかわいい声。しかし態度は適当な感じ。本物の工務店と間違われたのか。これもまたツンデレ。
キャップを尻に敷いていたIさんは食事準備を手伝っていた。
そこに登場したのは、メンバーのWさん。今からお風呂だという。
彼女もまた、数年前ネコTシャツをデザインし、一世を風靡した。
もちろん現在もFUYUNIREにて絶賛発売中。http://fuyunire.petit.cc/
19歳から自立生活を始めたWさん。CDがないー!とよく大声で泣いていたあの時代。懐かしい。
年々大人の女性になり、この日も異常なまでの落ち着きを感じた。また彼女も年々おっさん化してく私やスタッフを見て何を思う。そしてそのWさんから私への第一声。
「よう!何をしてんの!?」とこれまたツンデレな感じだ。刺々しい挨拶もきっとウェルカムの一種なはずだ。
残るはTさん。今日はヘルパーさんと外出をしていて会うことは出来なかった。
そうこうしている間にもう18:30。
20分程度の滞在ではあったが、ここツンデレの館もまた感じるものが多くあった。
言葉と表情のギャップ。はたまた態度と声のギャップ。
人はギャップに弱いと聞く。なんか気になる。
恐るべしツンデレ館「かりん」。
今回、3ホームを渡りそれぞれの夕方を感じてあらためて勉強になり、とても新鮮な気分になった。
別にグループホームに限ったことではない。みんなそれぞれの休日があってアフターがあって生活がある。
その生活の中で大事にしていることや大事にしている時間。それは誰もわからない。その人にしかわからないものなのだ。
そういうものを大切に考えれるような人になりたいと思う今日この頃。
よし、次はとなりの朝ごはん企画だ。
そう、次におじゃまするのは、あなたかもしれません。
テレレレレレ・・テレレレレ・・テレレレレッレ・・テレレレレ・・ズーン。
完
*TEKAWA*