あの 人は~ 悪魔っああ ♪
私を~ 虜にするっうう。♪
それは 冬ま真っ只中の ある 晴れた日の あきにれの お昼休みだった。
Tさんはいつものように あきにれ のドアから 外をながめていた。
Tさんはいつも外を眺めている。窓から見える 青空を見ているのか
通り過ぎる 車を追っているのか はたまた
行き交う人々を見ているのか は わからないが その背中からは
哀愁が漂い、人の世の 無常を感じているかのようなのであります。
いつもは、一人で黙って外を眺めているTさんだが、何故かその時大声で叫びだした。
そうまるでTさんの後ろに居る私に訴えかけるかのように・・・
「カ、カ、カラスの上に電柱がとまってるわ」と
えー!!!!
んなわけないがな。私は思った。いやこれ完全に 電柱の上に
カラスがとまっていることを言っているのだ。100パーセント間違いない。
自閉傾向の方々が、よく言う逆さの言葉の一種であることも間違いないのだ!
しかし、Tさんは 何度も 何度も連呼する。
そう、まるで私に訴えかけるかのように・・・。
「カラスの上に電柱とまってるわ~ カラスの上に電柱とまってるわ~・・・」
さすがの、私も黙っているわけにはいかない。
「どれどれ・・・」と言って 私がドアをのぞいたその瞬間
Tさんが言う
「反対やで~」
わ、わ、わかってるワイ!ていうか、それが言いたくてはじめから「カラスの上に・・・」って
言うとったんかい!わしをドアに誘っといて・・・・・ て言うことは、わし、まんまとはめられたんかい!
20そこそこの小娘にいや失礼 お嬢さんに、40半ばのわし 弄ばれたんかい!
そんな 私の姿をみて ケラケラ笑う Tさん。
ランちゃん以上の 小悪魔!
そんなやさしい悪魔に魅了される日々なのです。
鳥居